「女性は男性より1〜2時間多く睡眠が必要」という話を耳にしたことはありませんか?SNSなどで見かけるこの主張について、睡眠心理学者が科学的な視点から解説した海外記事の要点をまとめました。
睡眠時間に関する研究データが示すこと
睡眠時間の測定には、本人の自己申告と、ウェアラブル端末や睡眠ポリグラフ検査などの客観的な方法の2つがあります。自己申告は不正確になりがちですが、客観的なデータからは興味深い事実が明らかになっています。
- 女性の方が睡眠時間が長い: 多くの研究で、女性は男性より平均して20分ほど長く眠ることが示されています。
- 深い睡眠の質の差: 睡眠ポリグラフ検査では、女性は男性よりも深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間が長いことが報告されています。
- 年齢と睡眠の質: 興味深いことに、睡眠の質の低下は男性にのみ見られる傾向がある一方、女性は加齢による質の低下が少ないことが分かっています。
なぜ女性はより多く眠る必要があるのか?
女性が男性より長く眠る傾向には、単なる生物学的な要因だけでなく、心理的・社会的な要因も複雑に絡み合っています。
- ホルモン変動: 月経や妊娠、更年期といったホルモンバランスの大きな変化は、睡眠を妨げ、休息の必要性を高めます。
- 多重タスクと脳の複雑性: 女性は複数のタスクを同時にこなすことが多く、男性よりも脳の多くの領域を使用するため、回復により多くの睡眠を必要とすると考えられています。
- 高い精神的負担: 女性はうつ病や不安障害などの精神疾患リスクが男性より高く、これらの疾患は不眠症と深く関連しています。
- 介護などの社会的役割: 子どもや家族の世話のために夜中に何度も起きるなど、女性は睡眠を中断されやすい社会的役割を担うことが多いです。
これらの要因が複合的に作用し、女性はより多くの睡眠を必要とする可能性を示しています。
結局、自分に合った睡眠時間を見つけることが重要
もちろん、これらのデータはあくまで平均であり、個人の睡眠時間は大きく異なります。重要なのは、性別に関わらず、目覚めたときにすっきりとリフレッシュできているかどうかです。
引用元: Do women really need more sleep than men? A sleep psychologist explains


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